/CONTENT 01採用の苦悩。
労働人口の減少による売り手市場化や、就職活動の多様化など、変化の激しい採用現場。
この変化に伴い、企業の採用活動にはさまざまな課題が生じています。
課題 01売り⼿市場化による、質の悪いエントリー。
労働人口の減少で、売り手市場化が顕著な近年の採用現場。
求人倍率※は、従業員が300人未満の企業を中心に年々増加しており、売り手市場化によって主に中小企業が、採用難という痛手を被っていることがわかる。
※ 求人倍率…求職者1人あたり何件の求人があるかを示す指標。
中小企業の求人倍率
また、この市場変化を受けてエントリーの質の低下も課題となるだろう。「中小企業の書類選考なら通るだろう」と、企業研究もそこそこに、複数の企業におなじような内容でエントリーする学生が増加すると考えられる。
課題 02企業が求める⼈材とのミスマッチ。
学生と直接コミュニケーションが取れる機会は、実質的には約半年。知名度の低い企業にとって、この短期間で企業の魅力を伝え、有望な母集団を形成することは容易ではない。
その結果、学生と的確なコミュニケーションが取れず、企業が本当に求めていた人材に出会えない、ということも。
多様化する採用活動
近年の採用活動では、学生との接点が多様化している。
SNSによる情報発信や、企業が学生の話を聞きに行く「逆求人イベント」、エージェントから学生を紹介してもらう「人材紹介」などがその例。学生がそれぞれの接点で求めているコミュニケーションを企業側が理解・実施できず、ひとりよがりの採用活動になってしまうおそれがある。
課題 03企業と学⽣との認識の違いにより、内定辞退が増加。
内定辞退の原因として、「内定を確実にするために、すべりどめとして複数の内定をもっておきたい」という考えが未だ根付いていることと、「売り⼿市場だから会社を選べる」という学⽣側の意識が挙げられる。その結果、学⽣にとっての「本命でない企業」が、内定辞退を経験することになる。
就職活動期間1年間における
内定辞退率
- ※大学生全体(大学院生除く)(就職志望者・内定取得者 / 単一回答)
- ※就職内定取得者(内定の取得経験者)のうち、その時点までに内定辞退を経験したものの割合
- ※内定辞退率= 就職内定辞退⼈数÷ 就職内定取得⼈数
内定後の辞退理由
辞退理由の第2位「社風が合わないと判断した」。これは、企業が採用活動をとおして、自社の理念や伝えたいメッセージを表現できなかったことが原因のひとつとだと考えられる。
また、第1位の理由に関して、待遇などの条件は学生には聞きづらいことでもある。そのため、エントリー段階から企業側が積極的な情報開示を行うことで改善が見込める。